◆ ” プロジェクト す舞 ” 仕事のきっかけ
「今のアスタリスコにできることを、ずっと探していたんです。」
「そんな時たまたまネェサンに電話したら、
『マンション理事になっちゃって、もう大変だったのよぉ、大規模修繕。
アナタに相談すればよかった!』
というのが久々の第一声。ネェサンはね、困った時にいつも助けてくれる人。
今回もまた大きなヒントをもらいましたよ。」
マンション建築界では引っ張りだこだったキョショウこと小野敬一が、3年以上それを拒み続け、あえて選んだワイルドロードの中で打ち出した ” プロジェクト す舞 ” という仕事のきっかけについて、問うてみた返事である。
マンションの修繕って、そんなに大変なものなんですか?
「入居の時は、出来ている部屋に入るだけだけど、修繕となると、その時の理事会の人達が建築業者さん達と直でやりとりすることになるでしょ?
膨大な量の見積り項目を理解して、仕分けして、住民の方々のコンセンサスをとって・・・
ってやるんですよ。素人だったら悲鳴の十や二十はあがりますって。」
確かに、私の実家がビルを建てた時、家族の意見が合わず喧嘩ばかりしていた記憶が鮮明にある。挙げ句の果てに母親は鬱病っぽくなり、二度とあのような修羅場は経験したくないと思うキツイ一年だった。
選んだ色と違う外壁タイル(納期に間に合わなかったそうだが、事前に聞いていない)、かみ合わない観音開きの扉、母も私も背が届かないシステムキッチンの上扉等々、出来上がった時には全部チェックしきれなかったモノ達と、その後二十年近く、諦めとため息と共に暮らしている。
◆ 興味のきっかけはコストでもいいんです
話を戻そう。
しかもその前に相見積もりを取ったりもしますよね?
「そう、住民の皆さんの何千万円、ともすれば億という修繕積立金を使う、という責任もあるから、選定の段階からストレスで大変なことになります。会社のお金ではないですからね。」
友人のマンションは、管理会社の選定で業者が決まったと言ってましたけど。
「多分、始まる前から『積立金が足りない』って言われてると思いますよ、そういうところは。
管理会社はその物件に修繕積立金がいくら貯まってるかを知ってますしね。」
そういえば、つい最近会った別の友人のところは、追加で一件当たり百万円以上請求され、慌てて見積を見直し、管理会社も選定し直したそうだ。
「管理会社と友好的にやっていくことはいいことですけど、あくまで住まいの主人はそこに住んでいる自分達ですからね。最終的に自分たちが守る意識だけは持っていないと、いい修繕にはならないと思います。」
インターネットやテレビを見ると大規模修繕コンサルティングを打ち出している会社さんもけっこうあるようだ。
「うん、でも、どこもコストのことばっかりなんだよね。」
それは仕方がないような気がしますが。
「もちろん、最初の動機はそれでいいのだけど・・・・。
僕はね、住んでいる人達に、自分のスマイに興味をもって、愛情をかけてほしいんです。
自分で戸建の家を作ったら、ペンキが剥げてきたら自分で塗るし、屋根も自分で上って直す。でしょ?あれが、自分の住まいに対する想いの基本行動だと思うんですよ。
だから、マンションの修繕の時も、理事会、委員会メンバー任せ、人任せにしないで、自分で考えられるようになってもらいたいんです。
そのために、僕は見積項目に乗っている修繕がどういうことなのかを説明して、その修繕が一年以内に必要なことなのか、3年後に別個にやってもいいんじゃないか、ということを説明していく。」
キョショウは熱く続ける。
「できれば、理事会の方々だけじゃなくて、住んでいる人達みんなが、どういう修繕をするのか、それは具体的にどういう外観になるのか、というようなことに意識をもって、この大規模修繕という大プロジェクトに参加するようになるのが理想です。」
Project す舞 巨匠インタビュー その 2 に続きます。
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