2013年3月9日土曜日

ルネイズム浜田山プロフォルト 2001



取材に訪れた日の午後、円柱のエントランスを抜けて出てきたのは、これからお友達とのお約束か、落ち着いた感じの女性でした。

お仕事もきちんとされながら、「住まう」ことにもしっかり向き合っている感じ。


その印象は、この素敵なルネイズム浜田山という建物が息づいている風情に、オーバーラップします。

エントランスに続く円柱形のメインの建物を挟むようにして2棟の建物があり、全部で3つの建物が同じ敷地内にあります。
いったいどういう目的の建物なんだろう?
と、もし私が竣工当時に見たら、首を傾げたに違いありません。


巨匠によれば、デザイナーズマンションという言葉が認知され初め、ディベロッパーさんから引っ張りだことなりかけた頃、ほとんど徹夜続きでへろへろになりながらも一生懸命作ったものだそうです。



ここは外装からインテリアまで、全ての部位に小野巨匠の手が入っている。

巨匠の凝ったデザインは、人目を惹くため外観と共有部分だけ使うことが多くなっていたその頃にあって、彼が全部設計したとは・・・インテリアまで見てみたいものです。
中には、地下室まで続く3層のメゾネットのお部屋もあるそうです。


エントランス側面には、雨が降るとシャワーになるような仕掛け。
雨降りの時も楽しめるように、という工夫でしょうか。



その頃の凝った建築物にありがちな浮ついたような雰囲気が、なぜかここからは漂ってこない。

出てきた女性を見て、その答えを頂いたような気がしました。


ここに住まう方々の心意気や知性が、建物を育てたのでしょう。



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